2023年11月の月別アーカイブ
徒然なるままに

プロパガンダ作品の限界

『38度線の北』は北朝鮮のプラスの側面を集めたプロパガンダ作品(翼賛本)として知られている。発刊されたのは1959(昭和34)年4月。日本共産党員(当時)の寺尾五郎が北朝鮮訪問の見聞記などをもとに、社会主義国・北朝鮮のバラ色の世界を描き、 ...

ノンフィクションの予断と修正

まだ20歳そこそこの学生時代、ルポライター竹中労氏のルポルタージュ研究会に何度か足を運んだことがあった。幾つかのフレーズを覚えている中で、「予断は取材によって修正される」というものがある。例えていえば、ある事件の取材をする。取材者は限られ ...

イデオロギー・ノンフィクションの終わり

ノンフィクション業界は完全に「冬の時代」を迎えている。発表媒体が激減していることに加え、取材費の確保もままならない苦しい時代だ。ノンフィクションはある人物や出来事を「深掘り」する作業なので、過去の事柄を調べなければならない。そのためには人 ...

岸田首相は安倍政治の清算と脱却を

本日付国内最大手紙の読売と朝日が1面トップで「年内解散見送り」の記事を掲載した。朝日によると「政権幹部が明らかにした」とあるが、2つの新聞に絞って情報をリークした結果だろう。これは事実と異なることを故意に流して騙し討ちにする意図とは考えに ...

大量虐殺を容認する門田と飯山

門田隆将や飯山陽などは物事を明瞭に2分化し、単純化することで大衆操作の錬金術とする現代の錬金士だ。ハマスの最初の攻撃の残虐さやその規模から「テロは容認されない」ものとして、イスラエルの反撃を正当化する主張をこれまでふりまいてきた。一方で日 ...

圧倒的な不平等格差が生む現状

昨日、東大で開かれた勉強会をオンラインで視聴した。パレスチナ現地取材70回以上、20年以上この問題を取材するジャーナリストの小田切拓氏が話をした。おそらく現地の事情などに最も詳しい日本人の一人と思われるが、同氏が最初に聴衆に呼びかけたこと ...