通常国会の最初の山場である予算案修正が佳境を迎えた。公明党の西田幹事長は昨日の記者会見で、「103万円の壁」問題について、自公国の幹事長で作成した合意文書178万円の数字を「法律に記す必要があるのではないか」との見解を示した。一方、自公維の政調会長会談も行われ、維新の青柳政調会長からは「論点が絞られてきた」(本日付日経)との言葉が出たとのことで、国民・維新対策の動きが活発化している。
衆院の少数与党がこの最初の山場を超えると、次に3月末までの結論と期限を切っている企業・団体献金の扱い問題が焦点となる。30年前の政治改革協議では当時の細川首相と自民党河野総裁との会談で将来の全廃が前提だったとの趣旨で一致しているようだが、公明党は「第3の道」を提唱。斉藤代表は10日夜のBS番組で「企業・団体の社会的発言としての献金はあってしかるべきではないかとの学説や司法判断もある。賄賂性などの疑念が起きない形での第3の道もあっていいのではないか」と語ったところだ。そうした代表の発言を受けたのか昨日、公明主催の会合で岩井日大名誉教授は「献金の上限額引き下げ、収支報告書のデジタル化の拡大」などを具体的に提起している。これは企業・団体献金の廃止をしたくない自民党と、廃止を求める野党各党との“中間策”を意味するものだろう。
さらに3つめの山場が4月以降に本格化すると見込まれる選択的夫婦別姓制度の導入問題だ。自民党内でも具体的な検討が始まり、反対派の意見も乱れ飛んでいるが、論理的にはシンプルな問題であり、おおごとにするほうがむしろおかしい。自民党で長年この問題を推進してきた野田聖子氏が「鼻息を荒くして取り組むような法律ではありません」と言っているとおりだ。自民党内で強硬に反対しているのは、統一教会や日本会議の支援を気にする保守系議員たちにほかならない。論理的にはすでに決着がついている問題ともいえ、あとは夫婦別姓を選択した場合の子どもの姓の決め方をどうするかなどの各論部分の検討が残っているにすぎない。