岸田首相は安倍政治の清算と脱却を

本日付国内最大手紙の読売と朝日が1面トップで「年内解散見送り」の記事を掲載した。朝日によると「政権幹部が明らかにした」とあるが、2つの新聞に絞って情報をリークした結果だろう。これは事実と異なることを故意に流して騙し討ちにする意図とは考えにくく、経済政策などに専念するための土壌整備と考えた方がよさそうだ。実際、自民党政権末期の麻生内閣の時より支持率が下がっている現状で、いくら野党側が団結できていないとはいえ、いま時点で総選挙をやれば大きく議席を減らすことは明らかだからだ。

本日付朝日政治面には、憲法改正をめぐって「はやる首相 さめる自民」の記事が掲載されている。記事では首相が「保守層をつなぎとめるため」に悪あがきをしている旨解説されているが、この場合の「保守層」は90年代に見られていたいわゆる「穏健保守」のことでなく、安倍政治以降に膨らんだ「ネトウヨ」(国内推定200万人)のことだろう。岸田首相はむしろ、今後はこうした「ネトウヨ」層の支持を当てにするのではなく、本来の保守のど真ん中に焦点を定め直し、宏池会らしい政策を立案・推進するのが正道だと考える。性別変更手術要件を違憲とする10月25日の最高裁決定を踏まえて次期通常国会で適正な法改正に臨むのは当然のことであるし(ネトウヨはことしの通常国会におけるLGBT理解増進法の時の騒ぎを再び狙っているようだ)、こんご選択的夫婦別姓の法整備なども果敢に進めるべきだ。安倍政治の呪縛から脱却することこそ、岸田内閣の再浮上と継続をもたらす鍵と考えている。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。