2021年4月の月別アーカイブ
徒然なるままに

変化の激しい空手史研究

昨年9月、沖縄空手に関する書物を発刊させていただいた。その時点での真実と思われる内容をもとに記述しているが、最近の空手史研究においては、通説を覆すさまざまな発見が生まれている。その一つが「日本最初の空手流派は剛柔流」という通説だ。確かに今 ...

型の変容過程 沖縄から日本本土へ(下)

日本本土でピンアン型を行う空手流派は多いが、極真空手で行っているピンアンは、船越義珍の流派で一度改変が行われ、もう一度自派で改変しているので複数回の変遷を経ている。その結果、正拳突きが鉄槌に、腕受け(内受け)+前蹴りの動作が裏拳+横蹴りに ...

型の変容過程 沖縄から日本本土へ(上)

20世紀初頭、糸洲安恒は首里手の代表的な型、パッサイ・クーサンクー・チントウの動作の中から目つぶしなどの危険なものを省き、その要所をつなぎあわせてピンアンを創案した。目的は中学生レベルの初歩的な型を必要としたからである。沖縄県の中学生を対 ...

共感なき政治

防衛省が沖縄本島南部の土砂を辺野古沿岸部の埋め立て使用に検討している問題が、沖縄では大きな問題となっている。76年前、本土住民の捨て石となった沖縄戦の犠牲者の多くが南部地域で亡くなった。当然ながら多くの遺骨もまじっている。その骨を基地建設 ...

自分はよいが、人には許さない「倒錯した人格」

一つの仕事が終われば次の仕事に速やかに移動する。働き盛りのフリーランスにはもたもたしている時間はない。またそうでないと稼げない仕組みなのだ。貧乏暇なしといえばそれまでだが、活字系のフリーランスの仕事環境は近年厳しくなる一方である。今回20 ...

ノンフィクションの陥穽

ノンフィクションは事実を用いた文芸である。小説と違って虚構や創作は持ち込めないものの、すでにテーマ設定の段階で執筆者の「意図」といったものは反映されている。その意味では完全に客観的な文芸ともいえない。客観を装った一つの物語といってよいかも ...