型の変容過程 沖縄から日本本土へ(下)

日本本土でピンアン型を行う空手流派は多いが、極真空手で行っているピンアンは、船越義珍の流派で一度改変が行われ、もう一度自派で改変しているので複数回の変遷を経ている。その結果、正拳突きが鉄槌に、腕受け(内受け)+前蹴りの動作が裏拳+横蹴りに改変されるなどほとんど別の型といってよいものだ。結果的に武術性は失われ、何度繰り返しても武術は身につかないというジレンマが生じる。型をやっても組手の役には立たないというのは、型そのものに責任があるわけではなく、武術性を失った形骸化した型にこそある。個人として型の源流化を図る空手家を何人か取材したが、極真流派としてこのような行動をとっている例はいまだ聞かない。そもそもの空手は何だったか。いずれそこに立ち入らざるを得ない時期が来るのではないかと考えている。

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