カテゴリー ‘歴史認識’ のアーカイブ
徒然なるままに

現代の時代相

人間の顔をみて相がよいといわれればそれは褒め言葉だ。人の顔に相、つまり表情の変化があるのに対し、時代にもそのときの表情、顔がある。あるいは傾向といってもよいだろう。2021年現在の日本の時代相を端的に表現すると、私はキーワードとして「憎悪 ...

2元論の危うさ

子どものころ、時代劇のテレビを見ていて、父親に問うたことがあった。「どっちが悪もん?」。そのとき父親が困ったような表情をしたことをなぜか今も覚えている。子どもは物事を「よかもん」「悪もん」(いずれも九州地方の方言)の2種類でとらえる。つま ...

共産党と周辺的なもの

私は日本共産党が政権に入ることには1000%反対である。おそらく彼ら自身でさえ自分たちの本然が理解できていないとも推断するが、彼らが権力を奪取した際の変化は、いうまでもなく諸外国に歴然としている。現在の同党の姿勢は、猫の皮を着た着ぐるみの ...

謙虚さとは何か

NHK朝ドラで学徒出陣の話が出てきたときに、文章の恩師(99歳)の話を思い起こした。戦争時代の体験を恩師から折にふれて聞く機会があったが、東京大学在学中に徴兵され、多くの戦友が国外に送られて命を落としたが、自分は国内で働いた。わずか20歳 ...

左右に通じる反知性主義

一般に反知性主義というと、歴史や事実などを自分の見たいように見る態度のことを指す。そこには客観公正な史実ではなく、自分の思い込みや妄想が入り込むことになる。例えば旧日本軍が日中戦争における南京攻略戦(昭和12年)に際して行った万単位の不法 ...

保身の人びと

昭和の戦争の犠牲者が310万人である事実はしばしば指摘される。思想的には「国家神道」を強要され、死ねば靖国神社で会えるなどといった空想話で国民を動かした時代である。戦後一定期間は、国民に戦争の直接的記憶が残っていたので、反動政治は多数派に ...