共産党と周辺的なもの

私は日本共産党が政権に入ることには1000%反対である。おそらく彼ら自身でさえ自分たちの本然が理解できていないとも推断するが、彼らが権力を奪取した際の変化は、いうまでもなく諸外国に歴然としている。現在の同党の姿勢は、猫の皮を着た着ぐるみのようなもので、「仮の姿」に騙されていては後で痛い目を見ることは明らかだ。かといって、彼らの存在やそれを担う人びとを否定する立場でもない。同党への取材体験の中で、支えている人びとが「善意」で、まじめな「庶民」であることはよく知っている。惜しむらくは、信じたものが、間違ったイズムであったという事実だけである。日本共産党は先の昭和の戦争で弾圧され、戦後はファシズムと戦った政党を売りにすることができた。現在の同党の平和・人権イメージはその宣伝戦から大きく生じているように映る。だがその本然の姿が平和主義であるかというと、諸外国の多くの例を見るまでもなく真実ではない。日本の共産党は、いまだ国政で政権を奪取した経験がなく、過去の暴力革命時代の一時期を除いて、幸運にも日本社会の前に大きなボロを出していないので、いまも多くの人たち(特に野党)が騙されているにすぎないのは皮肉な現象だ。ただ一つ、私が同党あるいはその周辺の人たちを含めて評価し感謝したいのは、日本の過去の戦争責任についてきちんと調べ、追及してきた事実である。南京虐殺、慰安婦問題、731部隊など多くの追及は彼らの勢力を中心に、革新勢力が基となって行われてきた。こうした功績を私は最大限に評価している。何やらエラそうな書き方になってしまったが、この複雑な立場を理解してくれる人はむしろ少数である。

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