外国人ヘイトが票になる参院選

参議院選挙の公示日を迎えた。今回の選挙の最も大きな特徴の一つは、外国人排斥を訴える政党が得票を伸ばすという異様な状況だ。参政党が掲げる「日本人ファースト」は人種差別を標榜する政策であり、人種差別を概念として含まない「都民ファースト」とはまったく意味合いが異なる。さらに参政党が国民受けしている風潮を見ながらそれに“同調”する国民民主、自民党などが競うように似た政策を掲げる。大事なことは、もちろん外国人の出入国管理が適正に行われることは必要で、犯罪の増加が仮にあるとすればそれは対策を考えるべきことだが、実態はそのようなところにない。さらにこれからますます外国籍住民の受入れが必要な社会であることが明白なのに、その人々の最低限の人権保障をきちんと位置づける政策提示があまりに貧困に見えることだ。この問題は実際には30年前から変わらず存在し続けており、これから外国人政策を立案するなどという政党は、日頃必要な仕事を行ってきていないに等しいことを意味する。要するに、どのような国家像を描き、何を政策の柱とするのか。何のために政治に関わるのか。そこがグラついていると、政策も定まらない。

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