山口元代表が最後にこだわる仕事

本日付毎日新聞は公明党の山口元代表が石破首相に伝えたアジア版ОSCE創設構想について、首相がこの構想を念頭に置きながらマレーシアとインドネシアの首脳と話し合いをしてきたいと伝えた内容を拾っている(私が見た中では唯一の記事だ)。山口元代表は政治家の経歴としては大臣職を経験していないが、省昇格前の防衛政務次官(現在の副大臣か)を経験しており、防衛問題に詳しい。公明党は平和創出ビジョンを3月にも策定する方針といい、私の目から見ると夏にも議員引退が予測されている山口氏が政治家として最後の“置き土産”にしようとしているフシを感じる。同元代表は民主党政権が誕生した2009年夏から公明党の代表を務め、2024年まで15年にわたり続けた。私個人の見方では、山口氏の最大の功績は、安倍政治の軍事拡大化の流れを必要最小限に押しとどめたことと感じている。話はややそれるが、政治家の功績とは皮肉なもので、何か目に見える形で存在する目前の困難や危険性を食い止めればそのまま政治的評価に結びつくものの、将来にわたる一般には目に見えにくい危険性を事前に取り除いたとしても、「社会的効果」は実際は同じくらいの大きさであったとしても、政治的評価に結びつきにくいパラドクスがある。私などからすると山口元代表の功績はむしろ後者で、2015年の集団的自衛権行使の一部容認も、創価学会の中ではすったもんだがあったと記憶するが、私個人は一部容認で押しとどめたことを評価する。ただし政治は結果オーライの世界であり、国際状況の変化によってはその評価も一変する可能性はある。

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