「明治の日」を推進する超党派議連

昨夕、衆議院第2議員会館で超党派議連による「明治の日を実現しよう! 決起集会」が開催された。これは「昭和の日もすでにできている。それなら明治の日もあっていいのではないか」(古屋圭司・議連代表)との考えで各党派に呼びかけ、共産党などを除く主要政党が集まったもので、自民党、公明党、維新の会、国民民主のほか、立憲民主党からも参加があった。参加した国会議員56人(主催者発表)のうち、28人が発言を行ったなか、自民党の衛藤晟一参議院議員は「よくここまで来たと思っている」と感慨深げに語った。

主催者あいさつを行ったのは日本会議会長の田久保忠衛氏で、実際は議連の会長である古屋圭司議員も昨日付毎日夕刊の吉井理記記者のコラムによれは「日本会議国会議員懇談会の会長」の職にある。いわば日本会議が主導する「明治の日実現」のための集会に主要各政党が顔をそろえた形だ。議連としては来年の通常国会に議員立法で法案提出し、可決を図る構えという。もともと11月3日は明治天皇の誕生日であり、戦前は「明治節」となっていたが、その復活を事実上めざすもので、「文化の日かつ明治の日」への改称をめざすという。

日本会議勢力にとっての明治願望は、いうまでもなく日清・日露戦争に勝利した「過去の栄光」にすがる気持ちが強いが、この明治で打ち立てた国家路線が1945年の日本敗北、国家破滅を招いたことは歴史上の客観的事実だ。公明党からは中野洋昌衆議院議員が出席し、概要次のようにあいさつした。「まだまだ党内にはいろいろな意見がある。私の選挙区の先代の冬柴鉄三議員は昭和の日の実現に尽力した。その後任の私が明治の日の実現に関わるのは因縁を感じる」。法案は自民党内で手続きが済めば、与党である公明党との協議に入るプロセスを踏む。その意味では公明党がこの問題をどう扱うかのキャスティングボートを握っているといえ、同党の意向が大きな影響を及ぼす。個人的な感想だが、日本会議(=靖國勢力)主導の「戦争賛美」を想起させる明治の日実現には、創価学会員の中には抵抗感が強いと思う。

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