公明党の裏金議員「推薦」

公明党が自民党の裏金(不記載)議員の候補者46人(今回自民非公認12人を含む)のうち4分の3にあたる35人を推薦した件につき、「公明党はクリーンな政党を自称しながら実際は裏金議員を支えている」「わかりにくい」などの内外の評価がある。もっともなことだ。論理上、正当性が成り立ちにくいからだ。政治が妥協と打算を色濃く含む世界であることを理解しながらも、上記の措置はわかりにくい。以下はまったくの私見だが、この措置の当初の目的は公明党の小選挙区候補者を当選させるための補助措置というものだ。埼玉14区、兵庫の2つの小選挙区にプラスになる候補者が推薦されたとされる。さらに地域事情に合わせたのは、他党議員を推薦するには地元組織で信頼を得られていることが「最前提」となるとの当然の判断があったことは間違いない。さらにもっと重要なことは、衆議院選挙は「政権選択」を行う選挙である以上、公明党が大量に推薦を行わない事態となって、自公で過半数を割る事態となり、政権を野党に渡す状況は第一優先で避けなければならないとの大極的判断もあったと考えられる。こうした大状況を見据えての判断も大きかったはずだ。ただし公明党がいくら推薦したところで、小選挙区で落選する自民党候補はそれなりに生じるものと見られる。おそらくこの措置であおりを食う可能性が最もあるのは公明党の比例票だ。わかりにくい措置であるだけに、その影響は看過できない。それでも各比例ブロックが抱える個別事情によっては、いちがいに不利になるとも言い切れない。政治は妥協と折衷の産物という言葉が、上記の措置には当てはまる。もちろん、裏金議員をすべて「非推薦」とする誰の目にもわかりやすい行動で勝てればそれが“最善の策”だったとは思うが、現実はそうではなかったということだろう。

「裏金議員」35人を推薦…公明の「クリーンな政治」看板にキズ それでも推薦やめない理由とは?:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

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