日本のネット民のリテラシー

本日付の日経新聞の名物コラム(秋田浩之コメンテーター)は、トランプ大統領が行ってきた行動は、「権力闘争で劣勢に立つと、大衆をあおり、政敵を攻撃させる政治運動に火をつけた」かつての毛沢東が起こした文化大革命を思い起こさせると書いた。本日の東京新聞社説によると、トランプ氏は就任から昨年11月までに発信した嘘や不正確な主張を数えると2万回近くにのぼるという。驚くべき虚言常習者といえる。

連邦議会議事堂に乱入占拠したのは明確にトランプ支持者らだったが、逆にこれをアンティファ(急進左派の活動家ネットワーク)の仕業とトランプ陣営の弁護士らは発信し、日本のネット民にも多く流通した。日本でもこの間、トランプ陣営がトランプの意向に沿って発出したデマが多く流通し、ネット情報を鵜呑みにする人びとにとっては、虚偽情報が信じられる傾向を招いている。

いうまでもなく、虚偽は民主主義の土台を壊す。自分のいいように事柄を解釈するようになり、その情報が事実であるかどうかは二の次といった側面が強くなる。こうなるともはや民主主義は機能しなくなる。

私の周辺にも、トランプ発のデマを信じ込んでいる人が多く見受けられる。アメリカ民主主義の一時的な崩壊現象は、実はアメリカ1国の問題ではなく、実は日本社会をも明確に蝕んでいるのが実態だ。ウソと事実の立て分けをこれほど求められている時代もない。ウソは社会を死滅させるもっとも危険なウイルスといえる。

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