猿回しの猿は2度踊った

今から25年前の2月、「週刊新潮」に驚くべき手記が掲載された。信平狂言手記と呼ばれるもので、担当した記者は門脇護といった。この事件の背景は、教団を貶める目的で作出されたデマに、この記者が乗せられたという図式だった。門脇は猿回しの猿として、踊った。回した側は、資格を失った元弁護士の山崎正友や妙観講といわれている。事実的根拠のない手記だったが、門脇はこの手記に世間の注目を集めようと、信平夫婦に民事訴訟を起こすことを働きかけ、自分で中央大学の先輩である女性弁護士に依頼仲介した。その裁判は事実的根拠がなかったために、門前払いで終わっている。この事件を「信平狂言事件」と呼ぶ。こうしたデマ報道がたたったのか、この人物は、編集長になることができなかった。そのため25年勤務すると、ノンフィクション作家に転身した。以来10数年。いまでは極右勢力の中にあって“ペンをもった政治活動家”として活躍する。先の米大統領選では“トランプ信者”としてトランプ擁護の行動に終始し、米連邦議会が不法占拠され死者が出る事態になっても、トランプ側が正しいとばかりに民主主義を強弁した。この人物は25年前だけでなく、今回も猿回しの猿として踊ったのである。回した側は、トランプという名のサイコパス(良心の呵責をもたない特異人格者)だった。サイコパスは魅力にあふれている。事実(ファクト)をわきまえない記者は簡単に騙されるということだ。「責任をとらない」「謝罪しない」「自分だけが常に正しい」。この人物には常に一貫した行動がある。

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