「明治の呪縛」から脱却を

「選択的夫婦別姓」に関する記事が増えている。本日付産経ではこの問題の長年の推進役として知られる自民党の野田聖子代議士が、自民党守旧派内で蔓延する「通称使用の拡大」政策について「通称使用というものは世界に存在しておらす、国際社会では通用しない」とバッサリ斬り捨てている。本日付東京新聞でも第二東京弁護士会の副会長が「通称の法制化は海外では理解が得られず、日本の国際化を後退させる」と同じことを主張している。要するに、世界ではおよそ通用しない議論を、日本国内だけで行っているのが実情だ。野田氏はさらに「他の人が望んでいることに介入すべきではない」ともきっぱり述べている。選択制の導入である以上、「別姓を選ばない自由は残る」(本日付東京コラム)わけで、選びたい人の権利に外から他人が口を挟むのは“余計なお世話”という理屈につながる。だがこの“余計なお世話”を強烈に展開しているのが宗教カルト組織としても知られる「日本会議」「統一教会」「神道政治連盟」などの団体で、これらの団体からの選挙支援がなくなることをおそれる自民党議員らが右往左往しているのが実態だ。これらの団体に共通するのは「明治の呪縛」そのもので、日本が明治の古き悪しき体質から脱却できるかどうかを問われる国会ともなっている。

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