青年世紀元年

太田昭宏元公明党代表の話を先日伺う機会があった。太田氏は公明党のトップの経験とともに、創価学会職員時代は青年部のトップを務めた経験をもつ。さらに池田名誉会長と直接接した経験を多くもつ数少ない元公明党議員の一人でもあった。話のなかで1988年の話題が出た。教団において「青年世紀元年」と称し、青年部の育成に名誉会長が大々的に本腰を入れ始めた年として教団史に記録される(現在の教団を組織の要となって支えているのは紛れもなく実はこの世代に当たる)。この年の8月31日に教団職員を辞し、党に移ったという経緯を説明した場面だったが、その後、同氏は旧衆院選挙制度の元で落選も経験した。このころの池田名誉会長のさまざまな指針のなかで私が強烈に印象に残っていることは2つある。一つは「有名人だから幸福というわけではない」というフレーズだ。主には芸能人などの華やかな面に目が行きがちな青年世代に対する戒めの意味もあったと感じる。もう一つは「(本物が)一人いればそれでいい」と何度も繰り返された印象的な内容だ。いざというときに、孤立しながらでも正しい声を出す人間が一人いれば、すべては是正され、正常な方向に全体が軌道修正されるという意味だったと今では理解しているが、その「一人」を戸田門下生として自身で体現されてきた自負があったものと感じる。さらに宗祖日蓮はまさにそのままの行動の生涯だった。ことしは「1988年世代」こそが奮起すべき年ではなかろうかと感じつつ家路についた。

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