石破総理は権力に執着を

石破首相が保守論壇誌(極右雑誌)に嫌われていることは承知している。月刊『Hanada』の花田編集長は自民党総裁選前、最もなってほしくない人物として石場氏の名前を挙げていた。相棒の櫻井よしこ氏も同様だ。だが保守派の論客・西尾幹二氏が生前主張したように、彼らは似非保守であり、特に気にする必要はないというか、逆にそのような人たちに「否定される」事実は逆にそれだけ存在感を認められていることの裏返しにほかならない。石破首相が比較的リベラルな政治信条をもっていることは少し調べればわかることだ。戦後80周年首相談話にしても、上記の勢力は「必要ない」「戦後70周年安倍談話のままで十分」の大合唱だが、戦争体験をした世代が最後に残る80周年において、首相談話を出す意味はやはり大きい。まして日本の被団協がノーベル平和賞を受賞した最初である。談話の中に被爆者の思いも込め、発信すべきだ。昭和の戦争には「被害」と「加害」の両方の側面があり、被爆は「被害」の側面といえるが、当然「加害」の側面も日本は併せもつ。「加害」に目を閉じる上記の人たちの思想に与していては、日本の本当の未来が開けるはずもない。権力に執着を持ち、談話を出す8月までは少なくとも政権を維持していただきたいと念願する。安倍政治からの脱却こそが、石破内閣の歴史的「裏」使命であり、後世の歴史家は必ずその事実に言及するはずだ。

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