ソフトパワーの時代と哲学

本日付産経新聞の「防衛政策30年史」という連載で、「ウクライナで認識に大変化」の見出し記事の中、公明党外交安全保障調査会長の佐藤茂樹衆議院議員の発言が取り上げられていた。昨年2月、ロシアがウクライナを侵略した行為を踏まえ、「何もしなくても平和が維持できる、という状況じゃないことを肌感覚でご理解いただけたんじゃないか」との発言である。

2022年のウクライナ戦争時、すでに公明党議員の中に戦争体験者は存在しなかった。ロシアの行動に恐れおののいたとしても何ら不思議ではない。逆に戦争体験者がいれば、結果は変わったのかもしれない。公明党が支える岸田政権は、防衛費倍増を打ち上げ、5年間で43兆円の防衛費を計上した。これは必要な防衛装備を積み上げた金額でもなく、いわゆる腰だめの数字と呼ばれるもので、GNP比1%から2%へという単純計算の算出による。これにより、日本は世界で軍事費3番目の軍事大国になることが決まった。要するに、ハードパワーに特化した政策しか、自公政権には取れなかったという結果に見える。

池田SGI(創価学会インタナショナル)会長が1991年に米国ハーバード大学で行った有名なスピーチ「ソフトパワーの時代と哲学」は、軍事などのハードパワーに頼らない方向性を指し示したもので、時代を超えた普遍性をもつ内容として知られる。

この場合のソフトパワーは、まずは教育において「平和の哲学」を根底に据え、武力に頼らないソフトパワーを発信する人材を育成し、ソフトパワーを世界に拡散することを旨とする。いわゆる「急がば回れ」方式であり、この推進が、結果的にはハードパワーに頼らない世界構築の実現につながる。現実政治にかかわる政党と異なり、教団の進むべき道筋は明らかだ。

講演91_1 (sokagakkai.jp)

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