カテゴリー ‘ノンフィクション’ のアーカイブ
徒然なるままに

左翼側のイデオロギー・ノンフィクション

予断に満ちたイデオロギー・ノンフィクションは、実は右派の専売特許とも限らない。左派にも似たような作品が存在するからだ。その象徴的な事例の一つが、松本清張が書いたノンフィクションだ。えっ?松本って小説家じゃないの?という人がいるのは当然だが ...

イデオロギー・ノンフィクションの限界

特定のイデオロギーをもとに、そのイデオロギーを宣揚するために予め結論を決めておき、それに沿う材料だけを集め、都合の悪い材料を捨象して作成するノンフィクションを私は「イデオロギー・ノンフィクション」と名づける。これは右にも左にも見られる現象 ...

不正のロンダリング

マネーロンダリングという言葉がある。不正資金の洗浄などと訳される。同じように言論界にもロンダリングがある。過去に週刊誌編集部で多くの捏造記事を作出し、でっちあげた事実をもとに罪なき人を貶めてきた人物が、それらの罪を帳消しにするために、編集 ...

和文和訳の名人

ノンフィクションの王道は評伝とされる。ほかにも事件物や歴史物、さまざまな人間の営みが対象となる。それらは先人が調べたものなどの蓄積の上に、自分の手足を使って、改めて構築されるものといってよい。先人にはアカデミズムやジャーナリズムが含まれる ...

「山本七平賞」の権威にドロを塗った「門田隆将」

山本七平賞という文筆家にとっての賞がある。この第19回の受賞作品がパクリにまみれたものであった事実が明らかになっている。拙著『疑惑の作家 「門田隆将」と門脇護』においてもその一端を具体的に示しているが、受賞作となった『この命、義に捧ぐ』に ...

ノンフィクションの陥穽

ノンフィクションは事実を用いた文芸である。小説と違って虚構や創作は持ち込めないものの、すでにテーマ設定の段階で執筆者の「意図」といったものは反映されている。その意味では完全に客観的な文芸ともいえない。客観を装った一つの物語といってよいかも ...