不正のロンダリング

マネーロンダリングという言葉がある。不正資金の洗浄などと訳される。同じように言論界にもロンダリングがある。過去に週刊誌編集部で多くの捏造記事を作出し、でっちあげた事実をもとに罪なき人を貶めてきた人物が、それらの罪を帳消しにするために、編集部から離れ、独立した。そしてノンフィクション作家として活動を始めた。これを私は「捏造ロンダリング」と呼んでいる。さらにこの人物はノンフィクション作家として仕事をする過程で、盗用を行い、裁判沙汰になった。裁判では「盗用作家」として認定された。だがこの罪責をどのようにロンダリングするかを本人は考えた。右派活動家としての側面を増やし、活動領域を変えることでそうしようと無意識に行動したのだろう。私はこれらの行動を「盗用ロンダリング」と呼んでいる。

いずれにせよ、自ら犯した不正を、なかったものに“洗浄”するための行動といってよい。かといって、過去に犯した自らの行動が消えてなくなるわけでもない。書籍としてその事実が残されれば、それは同人の死後を含め、半永久的に記録されることを意味する。ノンフィクション作家を称しながら、最近はまともなノンフィクションも書いていない。もはや書けないのだろう。この人物の「不正のロンダリング」はいつまで続くのだろうか。

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