カテゴリー ‘ノンフィクション’ のアーカイブ
徒然なるままに

イデオロギー・ノンフィクションの終わり

ノンフィクション業界は完全に「冬の時代」を迎えている。発表媒体が激減していることに加え、取材費の確保もままならない苦しい時代だ。ノンフィクションはある人物や出来事を「深掘り」する作業なので、過去の事柄を調べなければならない。そのためには人 ...

北と南

近年の仕事でいえば、空手を通して沖縄での取材が増え、沖縄空手に関する単行本を2冊上梓することにつながった。その間、東京―沖縄を20回ほど往復した。 沖縄に出張するというと聞こえはよいが、一度も観光らしいことをした記憶がない。当然ながら海で ...

ノンフィクションの壁

ノンフィクションは文芸作品の中の一つのジャンルといえようが、小説などと明確に異なるのは必然的に一定の取材費を伴うということだ。過去または現在の人物を追うにせよ、事件を追うにせよ、必要な場所に身を置き、関係者を探しだし、取材するところまでた ...

愛国ノンフィクションの限界

ノンフィクションの分野に「愛国」という要素をたぶんに取り込んだのは門田隆将という作家を嚆矢とする。要するに「国威発揚」を目的として構成されるノンフィクションのことだ。例えば過去の戦争を描く場合にはそれは特定の人物に焦点をあて、その人物の功 ...

「デマ製造機」門脇護の20年

私がこの人物の観察を始めて何年になるだろうか。このホームページの前身画面を開始したのが2004年3月で、そのときからテーマにしているから19年近い計算となる。「週刊新潮」時代は、交通事故の100パーセント被害者であった男性に対し、相手車両 ...

批評精神

本日付東京新聞「本音のコラム」でルポライターの鎌田慧さんが大杉栄の娘・伊藤ルイのことを書いていた。たまたま昨日、『書くこと生きること』というタイトルの鎌田氏の本を手にとっていたら、まえがき部分で同じく伊藤ルイさんのことが出ていたので、驚い ...