公明党の未来

公明党の国会議員が多くの制約のもと、仕事をしていることは理解している。もともと同党の将来を党創設者である池田名誉会長がどのように描いていたかは、小説『人間革命』の10巻(旧版)に明確だ。1956年の参議院議員選挙において、地方区(選挙区)で大阪のみが勝利した流れのもとで、戸田城聖会長(当時)との懇談のやりとりが紹介された場面である。

「将来、20年先か、30年先か、50年先になるかわからないが、妙法の土壌からまったく新しい真の政治家が出現したとしたらどうだろう。多数の民衆の衆望というものを担った偉大な一世を風靡するような政治家が、われわれの土壌から出たとする。衆望のおもむくところ、民衆はその政治家を信頼するに足るとして、彼の政策遂行に協力せずにはいないだろう。こうなると、この政治家を中心として民衆自身の望む政党もできるであろう」

 この会話がなされたのは1956年。発言者は戸田第2代会長である。それからすでに64年が経過した。個人的な見解だが、これまで公明党からここで描かれたような“一世を風靡する政治家”はついぞ誕生しなかった。今後どうなるかのということだが、ある意味で「規格外」の議員が出てこない限り、そうなる見込みは薄いと考える。岡本三成、遠山清彦といった世代に期待するしかないのだろう。

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