外国人を「管理」するだけの発想ではうまくいかない

毎日新聞は今日付の社説で「入国管理庁への格上げ」を取り上げた。来年4月から政府が外国人労働者の受入れ拡大を行う一環として、この問題に対応する行政組織を強化することについての論説だ。政府における問題は、現行の管理・監督を基調とする入国管理行政の「枠」を出ていない点だろう。これでは「管理色」ばかりが前面に出て、片手落ちと考える識者も少なくない。

もとより日本の労働力人口の減少に対応する政策であれば、外国人の定住化を前提とした制度でなければ意味が薄い。この問題はすでにバブル時代から論議されてきた問題であり、政策テーマとしては30年来の検討期間があった。「入国管理」といった狭い枠を超え、未来を見据えた「移民庁」「外国人庁」といった名称で、法務行政から切り離すのが本来のあるべき姿ではなかろうか。

この問題における日本の政策は常に「後手」であり、なおかつ「小出し」である。今回も、悪評多い技能実習制度の枠を拡大するなど、小手先とも思えるやり方で拡大を図っている。

外国人を受け入れる以上、日本の地方政治への参画のあり方についても当然ながら、検討が必要になる。日本社会のルールを守らない外国人が増えないような政策も同時に必要になるはずだ。たとえば、住民の暮らしと密接に関わる地方議員の選挙には、外国人住民も参加させることが望ましい。

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