本日付産経「正論」に安倍元首相の外交スピーチライターを務め、現在は日本最大の保守団体日本会議の会長に推挙された谷口智彦氏が高市新首相へのはなむけの言葉を掲載している。10月20日、星稜会館で行われた右派集会でも同会長は、高市氏に「とにかくやってもらいたい」2つの政策として、「男系皇統の継続的な維持」と「憲法への自衛隊明記」を訴えていた。産経正論では自身の官邸ライターの特異な経験を踏まえ、他者にはできないようなアドバイスに満ちている。高市氏が「自分で自分の産婆役になった」(=公明党を追い出した)というフレーズは集会で述べた言い回しとまったく同一だ。いずれにせよ、衆参両院とも維新を加えてですら「少数与党」の出発という「厳しく困難な船出」(高市首相就任会見での発言)であることに変わりはない。特に憲法改正は、両院の3分の2勢力が必要となり、公明党の理解と協力がない限りは、実現はとうてい不可能だ。同党を外して「産婆役」を果たしたなどと極右団体から持ち上げられている限り、結果は残せそうにもない。スパイ防止法も現状のままでは、とうてい実現は不可能だ。高市政権の使命は、日本経済の復興のみに限られる。