自公連立26年が遺したもの

公明党が連立を離脱したことで政治の刷新感への期待が高まっている。これからどのような局面が展開されるか予測できないことからのワクワク感も混じっているように感じられるが、私などの世代は1993年の自民党政権38年間の崩壊時代を思い出す。結局、1999年から始まった自公連立が遺したものは何だったのか。私なら、①ヘイトの蔓延②少子化問題の未解決③防衛費倍増――を挙げる。ヘイトスピーチは21世紀初頭から蔓延が始まり、第1次・第2次安倍政権を契機に日本に定着した。ヘイトスピーチ解消法という罰則すら伴わない理念法が2016年に遅まきながら出来たが、現状では到底それでは対処できない状況がつづく。この間も政権与党は“無策”を続けてきた。2点目の国内安全保障の最大課題の一つである少子化対策は、岸田政権のもとで異次元の少子化対策と称して金だけ多くばらまく政策過程はあったものの、根本治療になりえていない。さらに防衛費倍増も自公政権のもとで行われた。このとき公明党は特に反対もせず、自民党からは「拍子抜けした(公明党がもっと反対してくると思っていた)」旨のコメントが新聞掲載された。ブレーキ役にほど遠い現状があったと感じる。ちなみに党創設者である池田名誉会長は、同党結党に合わせて自ら出版した書籍『政治と宗教』(1964年)で、「軍備を必要としない世界をつくることを理想としなければならない」との方向性を残す。

公明党が高市総裁誕生後、3点の懸念を伝えた中に外国人問題が入っていた事実は、①のヘイトの蔓延とも関連する。さらに高市氏に懸念の最初のものとして伝えた政治とカネの問題は、これからの日本政治の重要課題となることは間違いない。公明党はこれらの問題で、政界全体を正しい方向に推進してほしい。

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