昭和99年の課題

いくつかの新聞でことしを昭和の延長と考えると99年に該当し、昭和100年にあたる来年までに昭和の旧弊を一掃すべきといった主張を読んだ(1月7日付毎日)。元旦付の産経新聞でも来年が戦後80年の節目にあたるので、今年は「戦後的なるものの清算をやり遂げてこの節目の年を迎える準備の大事な年」と主張した識者がいた。いずれも来年が節目の年にあたるので、ことしが重要という趣旨だ。その例でいえば、自民党は来年が結党70年を迎える。一方の同じ与党・公明党は、ことしが立党60年の節目にあたる。

昭和色の一掃という話に戻れば、多くの課題があることはいうまでもない。個人的に象徴的なものにしぼると、第1にジェンダー不平等の撤廃、第2に情報公開精神の復活にあると考える。男女雇用機会均等法ができたのは昭和60年だったが、いまも国際比較でみれば日本は「不名誉な地位」を占めて久しい。特に国会議員に占める女性比率は顕著で、特に与党の自民党・公明党は女性占有率が極端に低い。第2の情報公開も地方自治体の条例を制定したのが昭和57年山形県金山町を嚆矢とし、都道府県レベルでは神奈川県が初めて制定したものの、国レベルの情報公開法が制定されたのは平成に入ってからだった。情報公開の理念はそれを軽視する「安倍政治」によって粉々に砕かれ、その精神はもはや無きに等しい感すら覚える。立憲民主の枝野前代表は、次の総選挙は各党が理念を競う選挙になると新聞で語っていたが、昭和色を払拭する意味でも、この2つについては公明党は高らかに掲げてほしいと望む者だ。

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