「極論」で利益を得る人びと

移民の受入れを否定する一部右側の主張にうんざりしている。30年以上変わらないよくある主張だからだ。だがすでにこの国の地域産業を支えているのは外国人材であり、そうした現実に目を閉じたまま、自らのドグマを主張する姿には辟易とした思いを抱くからだ。要するに「現実」が見えていないことに加え、自らの殻に閉じこもり、見栄えのいい俗耳に受け入れやすい主張を繰り返しているにすぎない。幕末明治でいえば頑なな鎖国主義者の言葉と同じに映る。現実には外国人比率はまだ小さいがすでに日本は移民社会そのものだ。それがリアルな現実といえる。むしろ今後の政治課題は、どのように外国人人材の受入れを円滑に進めるのかという「各論における知恵」であり、いかにしてソフトランディングさせるかという「政治の技術」だ。その同じ土俵で論じ合うことこそがこの国の未来を価値あるものにすることにつながるといえようが、それ以前に「外国人を受け入れるな」、極端な論者は「ハマスのような人間が入ってくる」かのような煽りの主張すら行っている。こうした人間たちが、冷静なこの国の議論を阻害している。百害あって一利なしとは、こういう論者のことを指すのだろうが、こういう論者に限って、いま現在、この国では一定のフォロワー数をもち、社会に影響を与えつづけている現実がある。心ある人びとはその状況をよく認識すべきだ。

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