本当の「日本のガン」は何か

公明党は日本のガンとのたまって政治記事になった自民党幹部がいた。その発言を使って月刊誌で論じている人間もいる。だがこの国の本当のガンといえる存在は何なのか。もちろん公明党ではない。本日付東京新聞で自民党の野田聖子議員がインタビューされた中で、選択的夫婦別姓制度の実現は難しいかと記者に聞かれ、次のように答えていた。同代議士はこの制度の実現に尽力してきた議員として知られる。

「私の世代は、戦争前に生まれた親に育てられた。父親は台所に入らないのが当たり前だった。そうした環境で育った子どもたちが、今ちょうど政治経済の中心にきている。だから本当に難しい。選択的夫婦別姓も党内で議論すら進まなかった。推進する私たちにとっての最大の障害は『明治の価値観』だ」

ちなみに厚労省が行った最新調査では、夫婦別姓への賛成割合は61%にのぼり、2008年以降最高となっている。さらに同制度を推進する団体は「2025年までの法制化実現」をめざす。これらの動きに反発してきたのがまさに「明治の価値観」をもつ守旧派たちであり、平たくいえば安倍的なもの、さらにもっと端的にいえば明治の価値観を象徴的に体現する「日本会議」などの存在だ。日本会議の意向や思想を端的に拡散するシンボルが櫻井よしこ氏であり、新聞でいえば産経新聞、雑誌でいえば『Hanada』『WiLL』などの極右論壇誌だ。さらに最近一時的に脚光を浴びている日本保守党も、思想的には日本会議の「亜流」にすぎない。

ほんとうのガンは、日本社会の現実を見ず、自分たちの旧来型思想を守ろうとするこうした守旧派勢力であり、その起点をたどれば、明治の象徴である『靖國』に行き着く。

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