夢の21世紀はどこへ

この2月になって世紀が一つ戻った感がある。20世紀の後半ごろには、21世紀になれば軍事力を信仰する国家は減り、より平和な共存共栄の社会ができるものと考えた人も多かったかもしれない。現実はそうなっていはいない。そうした社会に向かうには、見えないところで足かきしているアヒルと同じ行動が必要になる。要するにたゆみない努力のもとでそうした社会は現出されるということだ。

本日付の日経新聞に、アジア地域の軍事費が10年で50%増加したという驚くような記事が出ていた。「突出する中国、悩める周辺国」のタイトルのもと、日本も例外とはいえない。4月からの新年度予算で「過去最高の防衛費を支出する予定」であるからだ。アジア全体で壮大なムダを行っていることはいうまでもない。気候変動に伴う食糧安全保障の問題がとりざたされる昨今だが、国家間の武力紛争以前に、地球上の人類が等しく飢えることなく、あるいは餓死することなく生きていける環境をつくることこそが、世界規模で一致してめざすべき本質的な安全保障にほかならない。軍事偏重で社会不安を煽る者こそ、日本社会の「国賊」と思うべし。

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