ノンフィクションは小説などと異なり、当然ながら「事実」をもとに記載される。評伝の場合は「事実」を基礎として人物像を立ち上げられるし、事件の場合も「事実」をもとに事件の成り立ちなどを描かれる。ノンフィクションはあまたある「事実」を使って、「 ...
この連載を始めてまだ3回目にすぎないが、このシリーズはとめどもなく続けられそうな気がする。言い出したら止まらないという材料に事欠かないからだ。とりあえず昨日のつづきとなるが、確かに門田よりも前に「島田知事らによって20万人の沖縄の住民を救 ...
門田隆将のノンフィクションには重要なところで事実を正確に反映していないところが随所にみられる。例えば今回取り上げるのは2年前に発刊された『敗れても敗れても 東大野球部「100年」の奮戦』(中央公論新社)だが、その第1章で沖縄県の戦中最後の ...
門田隆将こと門脇護が週刊新潮記者時代に、とんでもない行為を繰り返した記者であることは知っている人は知っている。2008年春にこの人物が同編集部に居られなくなって退職したあと、すでに12年の月日がすぎた。この間、同人は多くのノンフィクション ...
久しぶりに国立国会図書館を訪問した。仕事上どうしても見つけなければならない史料があった。現在執筆中の仕事で使う資料として、ある新聞記事(昭和16年ごろのもの)が残されているのだが、日付と媒体名が不明のため、その出所を確定させる必要があった ...
過去に「プロレタリア文学」という言葉がもてはやされた時代があった。平たくいえば、社会主義や共産主義を鼓舞するための文学作品ということになろうか。『蟹工船』などの作品がよく知られる。一方で戦中は、作家がお国のために従軍し、国威宣揚の作品を粗 ...