この10数年、日本社会で広がった宗教現象をタイトルのように呼ぶとする。この宗教の教義は極めてシンプルだ。「日本は素晴らしい」「日本人は優れている」と声高に叫ぶ。その前提には、韓国人よりも、中国人よりもといったかっこ書きが含まれる。これらの ...
近年、嫌中嫌韓の風潮が強まったのは安倍政権の出現と明らかに連動している。一方で、自民党と連立を組む公明党の母体は、法華経流布の恩人の国として、中国・韓半島をとらえる歴史的スケールをもってきた。そこに介在するのは「恩」という心情だ。さらに「 ...
ヘイト本が書店や広告にあふれかえる時代である。その象徴が、「日本を貶めるな」といった声高な主張であろう。幕末でいえば、「わが藩をなめるな」といったレベルのことだろうが、先見の明があった幕末の志士たちは、そのような偏狭な思想の持ち主たちでは ...
事実に基づかず自分の見たいように歴史を見る態度を「反知性主義」という。この態度は右側だけに見られるものではなく、左側にもある。本日付紙面でその典型的な姿が両者にあったので紹介しておこう。右の反知性主義は、本日付の産経新聞の書籍広告だ。3 ...
「2000年の長きにわたって一つの民族、一つの王朝が続いている国はここしかない」。どこかの国の財務大臣がこんな発言をしたそうだ。この御仁は人類の歴史を知っているのだろうか。世界において「単一民族」の国など存在しないし、日本も同様だ。古代 ...
右派「煽情」雑誌が日本社会に生まれたのは2004年11月のことである。このとき創刊された月刊誌『WiLL』は、それまで存在した産経『正論』や文藝春秋『諸君』(すでに廃刊)と似た毛色の雑誌で、なおかつ洗練された誌面を思わせるのが特徴だった。 ...