自公連立の枠組みに変化が生じそうだ。自民党が政治とカネの問題で中途半端な行動をとってきたので自民党だけでなく、公明党もその影響を受けて国政選挙連敗の要因の一つとなってきた。ここにきて裏金還流再開を言い出したのは下村博文前代議士だったとの刑事裁判での元会計責任者の証言が出てきたほか(自民党はその下村氏を選挙区支部長に選任)、萩生田光一代議士の秘書が略式起訴されるなど問題がいまもつづいている“渦中の人物”を実質的な幹事長の立場になる可能性が濃厚な幹事長代行に据えた。この一連の流れに、公明党側から「そうはいカンザキ」の動きが出たということだろう。もともと上記に加え、麻生元首相と同党は関係がうまくないことで知られる。さらに高市新総裁は公明党との連立協議をまとめる“前段階”で国民民主党党首と個別交渉をはじめ、それが表に出てしまった。本日付朝日では「平手打ち」とのワードが紹介されているが、公明関係者からすれば高市新総裁に往復ビンタされたような気持ちであったということだ。
本日は2回目の自公党首会談(党首同士の顔合わせとしては3回目)が開かれる。高市新総裁側が公明党提案の企業団体献金規制案を「丸呑み」しない限り、同党は閣外協力に転じる方向とみられる。逆に高市サイドが「わかりました。公明党案を丸呑みします」といえば、公明党は連立離脱の大義名分を失う。高市氏が総裁としての判断力を問われる最大の局面に映る。仮に公明党が連立離脱すれば、最初に影響を受けるのは小選挙区から当選している衆議院議員だ。現在は斉藤代表、赤羽中央幹事会会長、中野国交大臣、岡本政調会長の4人だが、その場合、一部は次回総選挙で比例に回る可能性が出てくる。本質的には大局観で判断すべき問題であり、この26年間の自公連立政権の一定の区切りとするためにちょうどいいタイミングとする見方もあるかもしれない。