共生社会の本質

本日付紙面で外国籍児童の数字と不就学児童の数字が発表されている。それによると、外国人児童の総数が過去最高の16万人、うち不就学が8400人余りとしている。現在、総人口の3%が外国人となっているが、この数字が上れば上がるほど上記の児童数も比例して増えることはいうまでもない。要するに当初から想定されてきた問題ではあるが、対応が十分とは言い難い状況がある。一つは外国籍児童には就学義務が課せられていないため、各自治体の自助努力によるところが大きいことだ。さらには、各児童の状況に合わせたきめ細かいケアがどの程度なされているかという本質的な課題がある。外国人教育のあり方は国の将来を大きく左右しかねない。重要なことは世界市民化教育を進めるとする揺らぐことのない基本方針の決定と対外的な表明であり、必然的に外国人児童への就学義務の付与も重要なテーマとなる。外国人の受け入れをする限り、ケアもきちんとする。教育対象の児童を抱える家庭を含む「不法滞在」は一定の年数で正規化する(アムネスティ)政策は避けられない。「不法滞在者だから出て行け」などと主張する国民が多い国は、ものの仕組みや現実を知らないか、外国人を自分と同じ人間とみなしていないか、のいずれかかその両方であろう。メリハリの効いたシステムの根幹には人道的な精神性がなければならない。それを最も有効になしうる立ち位置にいるはずの公明党が、この問題で存在感を発揮できていない現状は、この国の未来を大きく損なっている。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。