「平和」と「人権」の関係

「平和」と「人権」が密接不可分の関係にあると考えるのは特に奇抜な考え方ではないと思う。私の認識では日本に「平和の党」を自称する政党が幾つか存在するが、両方をきちんと主張しているかどうかはそのバロメーターとなる。一人ひとりの人権を尊重した社会は突き詰めていえば平和な状態であり、逆はない。例えば、日本共産党は「平和」も「人権」も主張する政党であるが、自分の党職員の「人権」が守られていない実態はよく知られるとおりだ。さらに異論をもつ党員に対しても、およそ「人権」が認められている状況とは言い難い。さて公明党はどうか。「平和の党」であることを強調することはよく知られるが、「人権の党」とはほとんど主張しない。私の記憶では、浜四津敏子参議院議員が党代表を務めた時期にはよく聞いたが、特に政権与党に入ってからは「人権の党」の主張は鳴りを潜めた感がある。要するに自民党と折り合うためには邪魔になったという理解で間違いないだろう。例えば同党の国会議員の女性比率が主要政党の中で「最低」(13%)である実態は、この事実と同列の問題と感じる。“最大のマイノリティ”と称される女性の人権を名実ともに尊重していれば、当然、この数字は上がっていたはずだからだ。結論するに、公明党は「平和の党」は主張するが、「人権」は蔑ろになっているというのが私の理解だ。だからこそ、日本社会のマイノリティである外国人に対しても無関心であり、無政策を続けてきたともいえる。同党が「人権の党」を高らかに宣言するようになったとき、同党の「平和の党」としての立ち位置は、初めて名実ともに真価を発揮するのだと感じる。

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