埼玉県の鶴ヶ島市議会でとある女性議員(無所属)の行動を他議員が制限しようとする決議が問題になっている。その提案者が公明党議員であるとたまたま知ったのは、情報収集のために活用しているX(旧ツイッター)に寄せられた情報によってだった。この問題は昨今急浮上している埼玉県に居住するクルド人に関する公明党の認識と直結しているように思えるので、この際はっきり書いておきたい。公明党はこの問題について「初動」を大きく誤っている。その根本原因は現場第一主義という、同党議員としての基本動作を欠いた結果による。私の知る限り、国会議員、地方議員を問わず、クルド人と身近に接して、彼らの考えや要望を伝えてきた議員は存在しない。またこの問題を憂慮した当事者らから直接声を聞くように陳情されながら、「いまは忙しい」と断った国会議員すら存在する。要するに、一部の過激な日本人や産経新聞の角度のついた情報を鵜呑みまたは影響され、逆の当事者の情報に接してこなかったことが、公明党が「初動」を誤った要因に映る。なぜそのようなことが起きたか。第1に彼らは外国人なので一票を持たない。議員の事なかれ主義が生んだ結果としかいいようがない。第2に、第1の要因の前提の問題となるが、公明党中央が『共生社会』を構築するうえで外国人問題は重要な問題という認識をほとんど発信せず、「後手」に回ってきた。これは党最高幹部の意識の問題といえる。今からでも遅くないので専門チームを作るなり、「現場」の「一人の声」に真摯に耳を傾けるべき時ではないかと考える。