ペンをもった極右の政治活動家

門田隆将こと門脇護にはもうノンフィクション作品は書けないようだ。もともと同人の書いてきた作品には盗用疑惑が根強くからみつく。取材や調査など多くの手間暇が必要になるノンフィクション作品の製造過程において、「盗用」は製造過程をラクにするための一つの方法ではあろう。楽に流れれば、この職人芸の世界では、評価はされなくなる。一冊の作品を仕上げるまでには多くの資料、調査、取材を伴う。それらの元となる情報はネット上でお気軽に得られるものは少なく、すべて「足」を使って収集される。まともな書き手は「自分の足」でそれを行う。人の足を使うと、情報の肌触りが変化してしまうからだ。ノンフィクション作品を本気で書こうとなると、一冊仕上げるだけでも相当に疲れる。摩耗する。生命を使った営みということを実感できる。冒頭の人物は「ノンフィクション作家」を名乗ってはいるが、すでにほとんど「ノンフィクション」を書いていない。正確には「ペンをもった極右活動家」というほうがふさわしい。出版する書籍も、お手軽なネトウヨ内容の対談本くらいが関の山だ。ああいうふうにはなりたくないな。彼は書き手にとっての重要な反面教師である。

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