選択的夫婦別姓3法案が昨日、衆院法務委員会で審議入りし、28年ぶりの審議と新聞各紙で紹介されている。この年月をふりかえり、私は公明党の冬柴鉄三幹事長(故人)が政治生命をかけてとりくんだ永住外国人地方参政権付与法案を思い出した。この法案は1998年10月6日に新党平和(分党時の衆院公明)と民主党が共同提案したもので、99年8月11日に初めて審議入りした。ただしこのときは趣旨説明だけで終わり、実質審議はなされていない。実質的な審議がなされたのは翌2000年の通常国会で、このとき各党が提出していた3つの法案が審議された。さらに同年秋の臨時国会で集中審議がなされたが、結論として採決には至らなかった。自民党の守旧派がネックとなったことは、冒頭の選択的夫婦別姓法案と同様である。“世界のガラパゴス”と形容されるわが国は、今でも結婚したときに夫婦同姓を「強要」する世界で唯一の“取り残された国家”となっている。さらに同性婚も認めない(アジアではすでに台湾、ネパール、タイで容認している)。加えて日本は1995年に人種差別撤廃条約を批准しながら、人種差別禁止法などの具体的な国内法を制定しないまま、30年をすぎた。人権関連法案は、参院選挙後の石破首相の強いリーダーシップに期待するほかない。