6週間のガザ停戦に入った中東で和平の見通しが立たない。120の国会で68議席を占めるイスラエル連立政権で停戦に反対する極右政党「ユダヤの力」(6議席)が連立離脱し、党首の国家安全保障相が辞任したことで政権運営に暗雲がともっているからだ。別の極右与党「宗教シオニズム」を率いる財務相は第1段階の後に戦闘再開すべきと主張しており、再開しない場合、政権運営が立ち行かなくなる可能性があるからだ。イスラエルのネタニヤフ首相は停戦和平による自らの政権崩壊をとるか、攻撃再開でジェノサイドをさらに悪化させるの〝悪魔の選択〟を迫られる。いずれにせよ報道ではガザの4万7000人近い犠牲者の多くが罪のない女性や子どもであり、世紀の大量虐殺を行なった人道的犯罪が消えるわけではない。ネタニヤフ首相は攻撃を止めれば政権崩壊→自らの身柄拘束→ICCによる逮捕などが予想され、結論するに、「保身」のために多くの罪なき人たちを犠牲にしてきた構図が浮かび上がる。この構図はウクライナ侵攻を決断したロシアのプーチン大統領においても同様で、2人に国際準司法機関から逮捕状が発付されている現状は、意味のないことではない。