防災省創設と2040年問題

自民党総裁選でだれが勝つかまだわからないが、論戦も始まっていない段階ながら個人的に目を引く政策がある。一つは石破茂元幹事長が掲げる「防災省」構想だ。現在、台風が日本列島を縦断しつつある中だから余計にそう感じるのかもしれないが、地球温暖化の結果としか思えない近年の災害増加に最も効果的に対処できる方法は何かという問題にほかならない。もう一つは上川陽子外相が「総裁選に臨む覚悟」と題して発表した文書だ(本人のX上でも最上部に固定されている)。そこで掲げられるビジョンは「2040年問題」をターゲットにしている。つまりこれから15年後の話だが、政治家にはやはりそのくらいの中期的視野は絶対的に必要だ。現在、下馬評として当選を予測されている小泉進次郎代議士は、大きな柱として憲法改正を掲げているようだが、ピント外れもいいところだ。本日付朝日記事「熟議なき改憲 国民置き去り」の記事にあるとおり、「どこに憲法の限界があるのかを明示する」ことが先決だ。その前提事実を示すことすらできていない段階で憲法を政策の道具に使うのは、目先の自己利害のために付け焼刃的に憲法を利用(=私物化)した岸田首相と変わるところがない。中期的視野どころか、目先の視野のみという政治家として最もダメなパターンである。

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