「人類の宿命」を問われる時代

本日付読売の「AIと軍事 番外編」のコーナーで、中満泉国連事務次長が 「核兵器の指令系統にAIが統合される」未来について「制御不能となる恐れ」を語っていた。現代社会がもはや文明の利器を人間がコントロールできない事態にあることを象徴する姿さえといえる。さらに人間の関与なしにAIの判断で攻撃する自律型致死兵器システムにも言及。国連としては開発・使用ともに「全面禁止の立場」というが、グテレス事務総長が打ち出したあと1年半での法的禁止・制限の枠組み創設は「現実的に難しい」と語っている。一方、本日付の毎日コラムでは人類学者の長谷川眞理子氏が人類のそもそもの成り立ちについて、わかりやすく書いている。サルの一種として進化したにすぎない現生人類(ホモ・サピエンス)の「人類進化史の99%が狩猟採集生活であったこと」「これこそが、私たちのからだと脳の基本動作が進化した舞台」であることなどを指摘する。狩猟採集生活で生まれた他の部族との争いや逆の意味での協力関係。現在の国際情勢もまったく同じレベルにとどまる同じ人類によって形成されている事態にほかならない。人間そのものが賢く変化しないと、もはや自ら作り出した文明によって滅びる運命にあることを深く認識すべき時に来ている。

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