「大東亜戦争」論争

自衛隊がX上で発信した「大東亜戦争」の記述が一部マスコミで論争を生んでいる。本日付産経は阿比留瑠比コラムで「堂々と大東亜戦争と呼ぼう」の見出しで異論を発しているが、自衛隊自身はよけいな騒動にしたくないとの趣旨で先のXポストの該当部分を削除している。それでも自衛隊内部ではこの言葉はふつうに使われてきたことを指摘したのは昨日付毎日コラムだ。だが「大東亜戦争」は侵略戦争を美化する用語として、問題視する風潮もある。日本政府も基本的には使わない方針だ。その中にあってあえて「堂々と使え」と主張する産経記者の脳内は、基本的には靖國「遊就館」史観そのままであり、先の戦争を肯定的にとらえ、「日本は悪くなかった」との歴史観で染められている。だが当時の日本の民衆が日本の戦争にこりごりとした感情を抱き、新しい憲法を受け入れ、再出発したことは否定できない事実だ。阿比留記者の主張は、当時の日本人全体に対する冒とくそのものであり、戦争を知らない世代が自分たちの立場で勝手に発している軽々しい言葉にしか映らない。彼らには戦争への反省がない。

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