革命政党とトヨタの共通項

本日付の日経「大機小機」はトヨタグループの自動車用エンジンの品質検査の不正行為を取り上げている。もともと日本企業の長所は品質の高さにあり、それを支えたのは生産現場の「ワークマンシップの誇り」であったことを指摘する。いわば職人気質の最たる姿というべきものだろうが、彼らが気にするのは「自分自身を満足させる仕事ぶりや製品の出来栄え」であったと説く。だが上層部から打ち出された「過大な目標を達成するため不正に手を染めた生産現場」。問題の本質は「不正に手を染めた」側でなく、そうせざるをえないような無理な指令を出した側にあるのだろう。現場の実態を把握できない、あるいは把握してもそれを改善できない上層部の洞察能力、実行力のなさが反映していることは疑いようがない。この種の“組織弊害”で思い出したのは、ある「革新政党」の現状だ。130%の党員・機関紙購読の推進で進軍ラッパを吹き鳴らし、現場は疲弊しつづけ、誤魔化しの数字をあげつづけていることをわかっているのに、上層部はラッパを降ろす様子がない。延々と吹き続けるしか能がないその短絡的な行動は、かつての旧日本軍をすら思い起こさせる。少なくともトヨタよりもさらに末期症状に見える。状況に応じて柔軟かつしなやかに変化できない組織は、やはり衰退するしかない。トップの見識と判断能力、決断力・実行力が、組織の存続と発展を大きく左右する。

日本の企業経営が危ない – 日本経済新聞 (nikkei.com)

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