「アジアのリーダー」でなくなった日本の行く先

すでに何度も取り上げているが、日経コラム「大機小機」は必ず目を通す。本日付の同欄では、日本の没落は政治から始まると指摘した過去の識者の発言を引用しつつ、GDPでドイツに抜かれて世界第4位になったとみられる事実などを引き、「もはやアジアの中でもリーダーとは言えない」と書いている。だがこの国にはいまだ日本は「アジアのリーダー」と信じている人たちはたくさんいる。ほぼ9割以上だろう。これからますます経済的リーダー性は薄れていくにちがいないが、そんな国力衰退の日本が世界で光っていくためには、他の先進国と同じであってはそこに差異は生じない。戦前の「神国日本」の方向性の誤りを根本的に正されて戦後をスタートしたこの国が、何をもって世界に伍していくか。それはハードパワーではなく、やはりソフトパワーの世界だと考える。他国と同じように武器輸出を大々的に拡大してせっかくの戦後日本の平和的な歩みを大幅変更したり、アメリカから大量の超高価なトマホークを輸入して財政悪化を招いたりすることではないはずだ。もちろん、核兵器で武装したりする方向とは根本的に異なる。逆に、平和路線を貫き、他国にソフトパワーを輸出できるような国こそ、世界平和に貢献する正しい道と考える。そのように思考し行動する縦(=歴史観)と横(=地球・世界)にグローバルな政治家が、党派を問わずこの国に多く出現してほしい。

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