防衛省は自衛隊の靖國「集団参拝」を禁止せよ

複数のメディア追及による陸上自衛隊幹部らの集団靖國参拝問題は、防衛大臣が「部隊参拝」禁止通達の改正に言及する事態となった。繰り返しになるが、憲法では信教の自由が保障されている。靖国神社が宗教施設である以上、そこに参拝するかどうかは自由の範疇だ。にもかかわらず組織的に参加を募り、集団で行動し(今回は公用車も使用)、参拝するとなればそれは明らかに一定の強制力をもたらす行為にほかならない。防衛大臣は今後、このような事態が生じないよう、この種の「集団参拝」を明確に禁止すべきだ。本日付産経新聞ではかつて陸上自衛隊のトップを務めた人物が「自衛官の靖国参拝の意味と思い」という論文を寄せているが、心情論の域を出るものでは一切ない。個人で参拝するのはあくまでも自由である。だがこの人物は「日本人としてごく自然の風習」「日本人の伝統的信仰に基づくもの」など、まるで自分が“日本人の代表”になったかのような言い方をしている。日本人の中にはキリスト者もいる。いまではすたれたが共産主義者・社会主義者もいる。また創価学会員もいる。いずれも日本人である。信仰は個人の自由の範疇に存在するものであり、特定宗教施設に集団で参拝しようとする行為自体、明らかに憲法違反なのだ。このことがわからない自衛官が多いという現状であれば、やはり政治は、宗教色のない「国立追悼施設」を検討し、つくるべきだと考える。

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