上川陽子か、高市早苗か

岸田後継となるべき次期首相候補の下馬評がそれなりになされている。金銭腐敗のイメージをひきずる自民党の次の総裁に女性を据えようとする行為は、かつて日本共産党が暴力革命のイメージを払拭するために女性候補を多く立てるなどしてイメージを挽回しようとした行為と同じものだ。要するに女性がもつ「清潔感」のイメージを利用しているからだ。自民党の閣僚経験者クラスの女性議員で次の総裁候補として取り沙汰されるのが上川・高市の2人だ。私は他のところでも書き散らしているが、「公正さ」という資質の観点で、上川氏のほうに軍配をあげる。高市氏は女性への就活セクハラを民事裁判で認定されたような男性と最近も2人で写真に写っていた。そのくらい無防備で、「公正」の観点をもたない政治家にすぎない。自らが無防備ということは、自ら手掛ける政治手腕においても無防備ということを意味する。

最近、自民党の麻生太郎副総裁が上川氏の容姿について「けっして美人ではない」などと公けの場で論評したことが批判の的となっている。政治を実行する局面において、容姿は本質的要件ではない。要は「公正さ」を備えているかどうかであり、どのような政治結果を残すかだ。上川氏の容姿問題でいえば、本来なら麻生発言に自民党の女性議員の中から抗議の声が目に見える形で出て来てしかるべきだろう。あるいは自民党女性局名で抗議を表明すべきだ。自民党だけでやりにくいなら、同じ連立を組む公明党の女性議員と「共同」で出すべき問題だと思う。仮に上川氏が総理候補になるのなら、最大課題の一つは日本のジェンダー平等化の強力推進である。日本社会が世界でも下から数えたほうが早いジェンダー平等からほど遠い社会であるために、日本の少子化問題の解決も糸口が見えない。「公正」とは真逆であったと評される安倍政治から、正常な状態に引き戻す効果も一定程度期待できるかもしれない。

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