自衛隊の靖国「集団参拝」は根が深い

陸上自衛隊幹部らの靖国神社「集団参拝」問題を自衛官の写真入りで最初に報じたのは日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」だったが、その後に毎日新聞などの一般紙も独自で報じたので、おそらく自衛隊からの内部告発が複数のメディアになされていたものと推察している。赤旗が最初に報じたのが1月10日。その後防衛省は内部調査を行い、極めて軽い「訓戒」という処分でお茶を濁した。問題は自衛隊の一部機関に41通の集団参拝の案内がなされ、22人が参加。しかも移動には公用車が使用されていたことだ。このような「慣例」はかなり長く続いてきたものと想定され、こんごどのような調査がなされるかは世論次第かもしれない。靖国神社という特定の宗教機関に、集団で参拝するかどうかの案内を受けた自衛官らは必然的に「踏み絵」を踏まされたことになる。日本国憲法は信教の自由を保障しているが、それに違反する行為であることは疑いようがない。このような慣習は規律をもって集団行動をとるべき自衛隊内に不必要な「分断」をもたらす行為ともいえ、自衛隊にプラスの価値をもたらすともいえないだろう。靖国神社も一つの宗教であるので、個人で参拝するならなんの問題もなかろうが(もちろん公用車使用はご法度だ)、自衛隊内部で集団で行うとなると意味は異なる。二度とこのようなことが起きないように、政治がきちんと歯止めをかけることが必要だと思う。

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