白鳥事件がなぜいま注目されるのか

白鳥事件は日本共産党が72年前に組織的に起こした警察官殺害事件の一つである。この事件で多くの共産党員が逮捕され、最終的に村上国治・札幌委員長が主謀者として逮捕され、懲役20年の刑を受け、網走刑務所に服役した。刑事裁判では「有罪」が認められたが、本人があくまで「冤罪」を主張し、当時の共産党もその主張に“悪乗り”したため、世論的には決着がつかないまま現在に至っている。宮本顕治委員長はこの事件が「冤罪ではない」真実を知っていたフシがあり、村上本人にできるだけ接触せず、再審請求が最高裁で棄却された後は国民運動を早期にフェードアウトさせ、共産党への打撃を最小限に抑えた。もし同党に「殺人政党」の汚名が事実に基づき正しく被せられる事態となっていれば、同党の存続は危うかったかもしれない。その意味で、真実とそれに伴う影響は、宮本委員長の能力によって抑えられた。現在の同党執行部の情勢判断能力は、宮本時代に比べれば格段に落ちる。宮本は不破・志位歴代委員長を巧みに抜擢し、今に至る同党の存続を導いたが、現在の志位議長に宮本並みの能力はない。こんご同党が“衰退”を余儀なくされることは間違いない。(昨日の小生講演の骨子)

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