日本をミスリードする3人組

2020年米国大統領選挙は日本の論者の立ち位置を明確に2分するリトマス試験紙として機能した。いうまでもなく、選挙で破れたトランプ前大統領陣営が「選挙を盗まれた」「勝利した」などの虚偽の主張を意図的に繰り返し、最後は連邦議会議事堂を武装した支持者に占拠させる結末を導いた。選挙結果を自らの願望でひっくり返そうとする民主主義「破壊」の蛮行といえた。だがこうした言動をトランプ氏に肩入れすることで、日本の多くの人びとを惑わした有名な人物が、百田尚樹、有本香、門田隆将の3人である。

百田と有本はこのほど日本保守党という名のネット型政党を立ち上げ、さまざまな問題の渦中にある。事務総長の有本香はつい最近も民事裁判で名誉毀損認定され、「取材しないジャーナリスト」として悪名を売っている。一方、門田隆将はもともとは多くのデマ記事が祟って古巣の新潮社に居られなくなった人物であり、新潮社の佐藤社長を謝罪に追い込んだ張本人として知られる。だがそれらの犯罪的慣行は独立した後も一向に変わらず、有本と同じく、「取材しないジャーナリスト」や他人の文章を泥棒する「盗用作家」の認定を司法から受けてきた。

この3人に共通することは、ツイッター(現在のX)のフォロワー数が50万前後と多いことだ。現在百田が62万、有本54万、門田47万で、合計160万フォロワーとなる。3人は互いにリツィートするなどしてこれまで相乗効果を共有し合ってきた関係でもある。

門田は産経新聞の連載コラムで、立憲民主党議員憎しのあまり、事実とは異なる書き方をして損害賠償を命じられ、現在最高裁に係属中だ。そんな門田を産経新聞はいまも金の成る木として活用しているようで、非常に「角度のついた」ノンフィクションともいえないような作品をおおいに売り出して、少しでも収益をあげようと躍起になっている。

3人にとっての不可欠ともいえる武器は、ネット番組と、ツイッターである。特にツイッターの存在がなければ、かなりのパワーダウンだろう。もともと門田などは多くのねつ造記事で罪のない人たちを貶めてきた張本人であり、SNSでも多くの人権侵害を繰り返している。

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