かつて公明党は「平和の党」とともに「人権の党」を標ぼうした時代がある。私の記憶では参議院議員と自治体議員の政党であった「公明」のわずかな時代で、代表を浜四津敏子参議院議員が務めていた。彼女は「ヒューマニズムの政治」という一般にはピンと来ないかもしれないキャッチフレーズを掲げ、公明党(衆院議員を除く不規則な時代の形ではあったが)の一時期をつくった。その後、4半世紀をすぎるが、最近の同党は「平和の党」という冠はたまに目にすることはあっても、「人権の党」とはあまり聞かなくなった。人権問題に後ろ向きな自民党と政権を組む以上、この分野での実績がほとんど積まれることがなく、言いにくくなったということもあるのだろうと推測している。その最たる事例が夫婦別姓法案の未成立問題である。
先の通常国会ではLGBT理解増進法が不規則な形で成立にたどりついたが、自民党内部は分裂し、なんとか法案を不十分ながら形にしたという感じである。公明党は自民党に対し、理路整然と日本の将来のためにこれらの分野の各政策を推進していくべき立場にある。またそうした指向性をもつ少数(?)の公明党議員を、支持者は手厚く応援していくべきと考える。