ドクターヘリ雑感

ドクターヘリがようやく全国展開に至ったという記事を何度か目にするようになった。私も10年ほど前、取材でドクターヘリに同乗させていただいたことがある。千葉県の病院のヘリだったが、行きは同病院から河川敷に降り立ち、待機していた救急車から患者を引き継ぎ、ヘリ後部に乗せて、担当ドクターとともに3人で乗り込み、病院へ帰還。病院側は無線連絡であらかじめ受け入れの態勢を整えており、無駄な時間なく救急救命措置を行えるという仕組みだった。ヘリに最初に乗り込むとき、ドキッとするようなことを言われた。患者家族が付添人として患者と共に同乗することがときにあるが、そのときは帰りは電車で戻ってくださいと言われたことだ。交通が不便な場所だったからだ。幸い帰りもヘリで戻ることができた。交通渋滞を含む陸路を救急車で走るより、空路を一直線で飛ぶドクターヘリは、緊急医療においては画期的といえるほどの違いを生む。中でも脳や心臓関係の疾患・事故の場合、その「速さ」が延命および回復の結果を直接左右する。ドクターヘリの難点は風の強い日などの悪天の場合は飛べないこと、一回飛ぶと燃料費に数十万から100万ほどかかり、維持費がバカ高いことだった。それにしても全国展開されるように拡大化されても、何か大きな飛行事故が起きたという話は聞かない。ドクターヘリの全国展開が公明党の大きな後押しで生まれたことはまぎれもない事実だ。

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