三流評論家の煽り

本日付日経のコラム大機小機は、「『プーチンの戦争』は史上初の『見える戦争である』」と書いていた。確かにSNSなどの発達によって、現地の様子がかなりリアルタイムで世界中に拡散されるようになった。そうした通信状況における初めての戦争になったという指摘である。以前ならロシア軍の多くの非道な行為も直接目にする機会は少なく、ここまでロシア包囲網は広がらなかったかもしれない。そのため、このウクライナ侵攻を教訓に、他国が同様の行為をすることには大きなブレーキがかかる可能性を指摘する声もある。本日付の東京新聞「こちら特報部」は、9月に国交正常化50年を迎える中国との関係について取り上げた。専門家の「中国を敵視するのではなく、米中のブリッジの役割を担うべきだ」とのまっとうな意見が紹介されるとともに、政治評論家の森田実氏の、次のように発言を紹介している。

「今は政界全体を見ても中国との関係が大事だと言う政治家がいなくなり、中国に対してひどい表現ばかりが出てくる。政治家が感情で動いておりかなり危険な状態だ」

中国に友好的な態度をとるとすぐに「反中」などと叫ぶ文化人もいる。三流評論家の言というはたやすいが、こうした声が拡散されるのはかなり危険な状況だ。森田氏の発言に100%賛同する。

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